イザヤ56-58; Ⅱテサロニケ2

イザヤ書

第56章

56:1主はこう言われる、
「あなたがたは公平を守って正義を行え。
わが救の来るのは近く、
わが助けのあらわれるのが近いからだ。
56:2安息日を守って、これを汚さず、
その手をおさえて、悪しき事をせず、
このように行う人、
これを堅く守る人の子はさいわいである」。
56:3主に連なっている異邦人は言ってはならない、
「主は必ずわたしをその民から分かたれる」と。
宦官もまた言ってはならない、
「見よ、わたしは枯れ木だ」と。
56:4主はこう言われる、
「わが安息日を守り、わが喜ぶことを選んで、
わが契約を堅く守る宦官には、
56:5わが家のうちで、わが垣のうちで、
むすこにも娘にもまさる記念のしるしと名を与え、
絶えることのない、とこしえの名を与える。
56:6また主に連なり、主に仕え、
主の名を愛し、そのしもべとなり、
すべて安息日を守って、これを汚さず、
わが契約を堅く守る異邦人は――
56:7わたしはこれをわが聖なる山にこさせ、
わが祈の家のうちで楽しませる、
彼らの燔祭と犠牲とは、
わが祭壇の上に受けいれられる。
わが家はすべての民の
祈の家ととなえられるからである」。
56:8イスラエルの追いやられた者を集められる
主なる神はこう言われる、
「わたしはさらに人を集めて、
すでに集められた者に加えよう」と。
56:9野のすべての獣よ、
林におるすべての獣よ、来て食らえ。
56:10見張人らはみな目しいで、知ることがなく、
みな、おしの犬で、ほえることができない。
みな夢みる者、伏している者、
まどろむことを好む者だ。
56:11この犬どもは強欲で、飽くことを知らない。
彼らはまた悟ることのできない牧者で、
皆おのが道にむかいゆき、
おのおのみな、おのれの利を求める。
56:12彼らは互に言う、
「さあ、われわれは酒を手に入れ、
濃い酒をあびるほど飲もう。
あすも、きょうのようであるだろう、
すばらしい日だ」と。

第57章

57:1正しい者が滅びても、
心にとめる人がなく、
神を敬う人々が取り去られても、悟る者はない。
正しい者は災の前に取り去られて、
57:2平安に入るからである。
すべて正直に歩む者は、その床に休むことができる。
57:3しかし、あなたがた女魔法使の子よ、
姦夫と遊女のすえよ、こちらへ近寄れ。
57:4あなたがたは、だれにむかって戯れをなすのか。
だれにむかって口を開き、舌を出すのか。
あなたがたは背信の子ら、
偽りのすえではないか。
57:5あなたがたは、かしの木の間、
すべての青木の下で心をこがし、
谷の中、岩のはざまで子どもを殺した。
57:6あなたは谷のなめらかな石を自分の嗣業とし、
これを自分の分け前とし、
これに灌祭をそそぎ、供え物をささげた。
わたしはこれらの物によってなだめられようか。
57:7あなたは高くそびえた山の上に自分の床を設け、
またそこに登って行って犠牲をささげた。
57:8また戸および柱のうしろに、
あなたのしるしを置いた。
あなたはわたしを離れて自分の床をあらわし、
それにのぼって、その床をひろくした。
また彼らと契約をなし、彼らの床を愛し、
その裸を見た。
57:9あなたは、におい油を携えてモレクに行き、
多くのかおり物をささげた。
またあなたの使者を遠くにつかわし、
陰府の深い所にまでつかわした。
57:10あなたは道の長いのに疲れても、
なお「望みがない」とは言わなかった。
あなたはおのが力の回復を得たので、
衰えることがなかった。
57:11あなたはだれをおじ恐れて、偽りを言い、
わたしを覚えず、また心におかなかったのか。
わたしが久しく黙っていたために、
あなたはわたしを恐れなかったのではなかったか。
57:12わたしはあなたの義と、あなたのわざを告げ示そう、
しかしこれらはあなたを益しない。
57:13あなたが呼ばわる時、
あなたが集めておいた偶像にあなたを救わせよ。
風は彼らを運び去り、
息は彼らを取り去る。
しかしわたしに寄り頼む者は地を継ぎ、
わが聖なる山をまもる。
57:14主は言われる、
「土を盛り、土を盛って道を備えよ、
わが民の道から、つまずく物を取り去れ」と。
57:15いと高く、いと上なる者、とこしえに住む者、
その名を聖ととなえられる者がこう言われる、
「わたしは高く、聖なる所に住み、
また心砕けて、へりくだる者と共に住み、
へりくだる者の霊をいかし、
砕ける者の心をいかす。
57:16わたしはかぎりなく争わない、
また絶えず怒らない。
霊はわたしから出、
いのちの息はわたしがつくったからだ。
57:17彼のむさぼりの罪のゆえに、
わたしは怒って彼を打ち、
わが顔をかくして怒った。
しかし彼はなおそむいて、おのが心の道へ行った。
57:18わたしは彼の道を見た。
わたしは彼をいやし、
また彼を導き、慰めをもって彼に報い、
悲しめる者のために、くちびるの実を造ろう。
57:19遠い者にも近い者にも平安あれ、平安あれ、
わたしは彼をいやそう」と主は言われる。
57:20しかし悪しき者は波の荒い海のようだ。
静まることができないで、
その水はついに泥と汚物とを出す。
57:21わが神は言われる、
「よこしまな者には平安がない」と。

第58章

58:1「大いに呼ばわって声を惜しむな。
あなたの声をラッパのようにあげ、
わが民にそのとがを告げ、
ヤコブの家にその罪を告げ示せ。
58:2彼らは日々わたしを尋ね求め、
義を行い、神のおきてを捨てない国民のように、
わが道を知ることを喜ぶ。
彼らは正しいさばきをわたしに求め、
神に近づくことを喜ぶ。
58:3彼らは言う、
『われわれが断食したのに、
なぜ、ごらんにならないのか。
われわれがおのれを苦しめたのに、
なぜ、ごぞんじないのか』と。
見よ、あなたがたの断食の日には、
おのが楽しみを求め、
その働き人をことごとくしえたげる。
58:4見よ、あなたがたの断食するのは、
ただ争いと、いさかいのため、
また悪のこぶしをもって人を打つためだ。
きょう、あなたがたのなす断食は、
その声を上に聞えさせるものではない。
58:5このようなものは、わたしの選ぶ断食であろうか。
人がおのれを苦しめる日であろうか。
そのこうべを葦のように伏せ、
荒布と灰とをその下に敷くことであろうか。
あなたは、これを断食ととなえ、
主に受けいれられる日と、となえるであろうか。
58:6わたしが選ぶところの断食は、
悪のなわをほどき、くびきのひもを解き、
しえたげられる者を放ち去らせ、
すべてのくびきを折るなどの事ではないか。
58:7また飢えた者に、あなたのパンを分け与え、
さすらえる貧しい者を、あなたの家に入れ、
裸の者を見て、これを着せ、
自分の骨肉に身を隠さないなどの事ではないか。
58:8そうすれば、あなたの光が暁のようにあらわれ出て、
あなたは、すみやかにいやされ、
あなたの義はあなたの前に行き、
主の栄光はあなたのしんがりとなる。
58:9また、あなたが呼ぶとき、主は答えられ、
あなたが叫ぶとき、
『わたしはここにおる』と言われる。
もし、あなたの中からくびきを除き、
指をさすこと、悪い事を語ることを除き、
58:10飢えた者にあなたのパンを施し、
苦しむ者の願いを満ち足らせるならば、
あなたの光は暗きに輝き、
あなたのやみは真昼のようになる。
58:11主は常にあなたを導き、
良き物をもってあなたの願いを満ち足らせ、
あなたの骨を強くされる。
あなたは潤った園のように、
水の絶えない泉のようになる。
58:12あなたの子らは久しく荒れすたれたる所を興し、
あなたは代々やぶれた基を立て、
人はあなたを『破れを繕う者』と呼び、
『市街を繕って住むべき所となす者』と
呼ぶようになる。
58:13もし安息日にあなたの足をとどめ、
わが聖日にあなたの楽しみをなさず、
安息日を喜びの日と呼び、
主の聖日を尊ぶべき日ととなえ、
これを尊んで、おのが道を行わず、
おのが楽しみを求めず、
むなしい言葉を語らないならば、
58:14その時あなたは主によって喜びを得、
わたしは、あなたに地の高い所を乗り通らせ、
あなたの先祖ヤコブの嗣業をもって、
あなたを養う」。
これは主の口から語られたものである。


Ⅱテサロニケ

第2章

2:1さて兄弟たちよ。わたしたちの主イエス・キリストの来臨と、わたしたちがみもとに集められることとについて、あなたがたにお願いすることがある。2:2霊により、あるいは言葉により、あるいはわたしたちから出たという手紙によって、主の日はすでにきたとふれまわる者があっても、すぐさま心を動かされたり、あわてたりしてはいけない。2:3だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない。2:4彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する。2:5わたしがまだあなたがたの所にいた時、これらの事をくり返して言ったのを思い出さないのか。2:6そして、あなたがたが知っているとおり、彼が自分に定められた時になってから現れるように、いま彼を阻止しているものがある。2:7不法の秘密の力が、すでに働いているのである。ただそれは、いま阻止している者が取り除かれる時までのことである。2:8その時になると、不法の者が現れる。この者を、主イエスは口の息をもって殺し、来臨の輝きによって滅ぼすであろう。2:9不法の者が来るのは、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と、2:10また、あらゆる不義の惑わしとを、滅ぶべき者どもに対して行うためである。彼らが滅びるのは、自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった報いである。2:11そこで神は、彼らが偽りを信じるように、迷わす力を送り、2:12こうして、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての人を、さばくのである。
2:13しかし、主に愛されている兄弟たちよ。わたしたちはいつもあなたがたのことを、神に感謝せずにはおられない。それは、神があなたがたを初めから選んで、御霊によるきよめと、真理に対する信仰とによって、救を得させようとし、2:14そのために、わたしたちの福音によりあなたがたを召して、わたしたちの主イエス・キリストの栄光にあずからせて下さるからである。2:15そこで、兄弟たちよ。堅く立って、わたしたちの言葉や手紙で教えられた言伝えを、しっかりと守り続けなさい。
2:16どうか、わたしたちの主イエス・キリストご自身と、わたしたちを愛し、恵みをもって永遠の慰めと確かな望みとを賜わるわたしたちの父なる神とが、2:17あなたがたの心を励まし、あなたがたを強めて、すべての良いわざを行い、正しい言葉を語る者として下さるように。


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